訪れる未来の女神

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その人物と出会い、食べ物を、料理を振る舞ってもらった時に、彼から聞いた言葉に感動して、料理の道へ入ったのだ。 『料理は、不幸を幸福にする事も出来るし、幸福を不幸にする事だってできる。美味しい料理を食べたら、お前だって笑ったじゃないか』 その人物は、小さな子供を二人もたった一人で育てていた。 彼は料理を娘たちを喜ばせる為に振る舞っていた。 だからこそ、高級レストランの主となった今でも、彼は料理をいろんな人に食べて貰いたいと思っている。 料理は笑顔にするもの。 その思いを形にする為に、招待券を作ったのだ。 まぁ、その所為で彼も予想し無かった弊害が出たのだが。 それを、賄賂として使う貴族なども出たのだ。 全く世も末である。 そして、そんなレストランに正装をした学生が五人。 ファイ達である。 当然、場違いな空気に肩身の狭い想いをしているが、子供連れで来る貴族も珍しくない。 貴族にとって、ここで食事をする事は贅沢であり、子供の誕生日などでここに訪れる事もある。 なんら、不自然な点は無い。 因みに、招待券には、五名様までと明記されていたので、結局のところ二人だけの時間が無くなるのなら、とファイとカレナが相談してワルキとピアナを連れて来たのだ。 因みに、五人までというのにも理由があったりする。 一つのテーブルが、基本的に五人までだから、というなんとも安易な理由であるが。 勿論、多人数用の大きなテーブルもあるのだが、それは要予約制となっているから。 まぁ、なんとも単純な理由だ。 どっかの誰かに似ている感じもしないでは無いが。
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