小さな小さな子犬ちゃん

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トラブルがあると必ずこの人物が顔を出す。 本当に困った奴だ。 そもそも、リオンが何故学校で落ちこぼれなんて面倒なことをやっているか、といわれたら……。 まったく、頭がどうかしているとしか思えない。 つまり、面白そうなら何でも首を突っ込んでしまうのだ。この男は。 因みに、今回は使い魔をつれてやってきていた。 部屋に入ると同時に両方とも人化する。死神たるヘルは美女へ。竜の子供たるロウは小さな女の子へ。 因みにロウとヘルは大体一緒にいる。 親子のように見えるため、一種のカモフラージュとなっているのだ。 「面白いもへったくれもありません」 ファイはそういって、溜息を漏らす。流石にこの状況ではどうにも出来ない。 「……所で、だ」 リオンがやけに神妙な面持ちをして話し始めた。 「ワルキとピアナはいつ出来てたんだ?」 「お前もか! この糞野郎!」 「いやっはっは。冗談冗談。流石にお前たちに小学生の子供がいるとはいえないな」 「当たり前だ……ったく」 不機嫌に舌打ちをするワルキ。何故か顔が赤くなっている理由については、ファイとリオンの二人は察している。 「んー、しかし可愛いねぇ」 リオンはそういうと、ジェンの頭を撫でる。 因みに、先程からロウがヘルの後ろから興味津々といった表情で、ジェンのことを眺めている。 じーっと。目を輝かせながら。 そんなロウの視線に気づいたのか、リオンが随分と慌てた表情で二人の顔を見比べる。 「だっ、だめだぞ! ロウ! お前にはまだ早すぎる! 認めるかぁ!」 ロウの視線にロマンスを感じたのか、途端に慌てだすリオンであった。 娘を嫁に出す気分というのは、こういった物なのだろうか……? 「煩いです。さ、ロウ遊んでおいで」
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