小さな小さな子犬ちゃん

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ギルドに入りたいと思っている人物が大半を占めるこの学校の生徒達は、その指示には従わざるをえない。 何よりも常識的な行動として、不確定の脅威に対しては集団となって対抗するのが一番だ。 「全員、不審者を見かけた場合は、すぐさまギルドか警察に連絡すること。自分達だけで先走らないように」 釘をさすように担任は言うと、朝のホームルームは終わった。 それにしても、ここ最近は本当に異変が多い。 と言うか、不審者が幾らなんでも多すぎる。 こうまでして頻繁に現れると絶対に何かあると感じられて仕方ない。 「お嬢様、危険な真似だけは止めてくださいね」 ピアナはカレナに向かってそう言う。担任の釘があったとしても、暴走しかねない。 流石はカレナ付きのメイドだ。しっかりと彼女の行動を諌めるように声をかける。 以前の例がある以上、今回もファイと一緒に行動をするのかと思ったのだ。 と言うよりも、本当にファイとの付き合いもあまり好ましくはないのだ。自分の大好きなお嬢様がおかしな風になってしまうところは見たくない。 特に彼の兄弟子とか言うリオンには、並々ならぬ不信感を抱いている。 表面上にそれを出してはいないが、自分の家を知って、クルドの正体も知っていて、王女様の正体までもあっさりと見破ってしまうのはおかしい。 幾ら、崩天のルシフェルの弟子だからと言って、知りすぎてる気がするのだ。 あの、ジェンの事だってそうだ。
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