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まぁ、好みが気になるのは事実だろう。
この中で男性経験が最も無いのは誰か、と聞かれて真っ先に思い浮かべるのは、きっとピアナだろう。
と言うか、レズではないのか、という疑惑もある。
「わ、私の好みですか?」
明らかに動揺しているピアナ。どう答えたものか悩んでいるのだろう。
「そう、ですね。私の好みですか……」
「ほらほら、早く言いなさい。これは命令よ」
ここぞとばかりに主人特権を使うカレナ。これには堪ったものじゃない。
主人の命令となれば、使用人は拒否する事が出来ないのだから。
それに答えないと行けない空気が出来上がっている。
「私の、好みの男性は、そうですね、やっぱり逞しい人です。それと、気がつく人でしょうか」
「具体的にはどんな人かしら?」
「具体的に、と言われましても……」
「こう、身近でどんな男性がいいのかって聞いているのよ」
「そうですねぇ……リオン、とかでしょうか」
まさかの宣言だった。
「え……」不意に胸にずきりと何か得体の知れない痛みが走った委員長。
そのときの表情は、きっとピアナには趣味が悪い、と言っているように見えたのだろう。
「あくまで例えですよ、あくまで!」
慌てて強調するピアナ。
別に好きでもなんでもないのだ。得体の知れない男に好意をもてるわけも無い。
「へぇ、意外ねぇ。まさか、あんなのが好みだったなんて。ま、確かに強くてやたらと気がつくけど」
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