訪れる未来の女神

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実際、授業なんてつまらない。 興味がわかないのだ。 今更、といたところで、数学が実践で役に立つ訳では無い。 数学的思考なら、役に立つが。 長い事戦いに身を置いてきた彼にとっては、興味のない事ばかり。 戦うのに、なぜ歴史を知る必要があるのか。 戦いに疑問を持てば死ぬ。 だというのに、なぜ学ぶ必要があるのか。 全く理解し難い。 リオンにとって全てが理解しがたいことの連続。 孫との生活はそれなりに楽しんではいるが、キリエが言わなければこんな生活を送らなかっただろう。 のんびりと生きて行くには十分な実力を持っていたから。 孫たちをからかう生活と言うのも悪くはないが、そろそろ力を隠している生活にも飽きてきた。 でも、もうしばらく辛抱しないといけない。 最も面白いシナリオはもう既に考えついているのだから、せめてそれの通りにはしたい。 「どうかしらね。監視を命じられているくらいなのだから、何か企んでいるとしか考えられないわ」 クルドは無気力なリオンの瞳を見てそう尋ねる。
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