国を統べるには

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「ですが、自分達はただ状況を混乱させただけに過ぎないのです。お叱りを受けるならまだしも」 「面白いことを言うのだな。成程、流石はこいつの弟子、ということか」 「恐れ入ります」さりげなくマゾ発言をする。お叱りをうけなかったんだからそれでいいのではないのか。 「もともと、お前達よりも先に突入する算段だったんだ。それをこいつが面白がって黙ってたって訳だ」 「……まぁ、あのタイミングはおかしいと思っていましたが」 「というわけで結論は変わらなかったわけだ」 「……まぁ、半分ニートみたいなモンですからねぇ」 苦笑しながらファイは言う。 王様とこんなにフレンドリーに会話をしても大丈夫なのだろうか? それ以前の問題として崩天がやたらと鋭い気を飛ばしてきている。 余計なことは喋るな、とでも言いたいのだろう。無視するが。 「しかし逞しくなった。前にあったときは小さな赤子のときだったからな」 唐突に何を言い出すのだこの王様は。 「ファイ、話していなかったが、こいつはクロノと一緒に戦ったんだ。以前の革命でな」 王をこいつ呼ばわりするのが崩天のルシフェルらしいのだろうか? それ以前に、父親が王様と知り合いだったなんて知りもしなかった。 「まぁ、ここ最近滅多にあっていないがな」 「というか、貴方呼び捨てにしても良いんですか」 「何を言っている。革命を成功させた男に向かって」 「……あんま関係ないでしょそれ」 「何を言っている。俺がいなければ革命など無かったも同然。戦力にどれだけの差が有ったと思っている」 「国軍相手に一体何人で挑んだんですか」 「三十人」 「すくなっ!」 「因みにあいては国軍全部だから、当初の人数は……ざっと三十万だったかな」 「どれだけさがあったんですか」 「それで革命を起こせたのは主に俺のお陰だ」 「……どうせ足引っ張ってただけでしょう。派手好きな貴方のことですから」
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