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むやみやたらに魔法をぶっぱなしながら突撃していくリオンの姿がこれでもかと言う程に脳裏に浮かんでいく。
魔法で無いとするのなら剣を片手にはしゃぎまわる姿しか想像出来ない。
「失礼だな。派手に立ち回るのは陽動のときだけだ」
「陽動でなくとも派手じゃないですか」
「何処がだよ」
「自分の普段の言動を思い返してみてくださいな」
「それはリオンだろうが」
「本当に血が繋がっていないのが不思議な程に似てますよねぇ」
王の御前で堂々と喧嘩を始めるファイと崩天。
もう少し、場というものをわきまえて欲しいものだ。
二人とも。
「止めなさいファイ! みっともない」
カレナはそういって、ファイを諌める。
「申し訳ありません。彼はまだ些か貴族としての自覚に欠けておりまして」
彼女は相変わらず首を垂れたまま、王に向かい謝罪の言葉を述べる。
「良い、良い、気にするな」
面白そうに笑いながら王はそういった。
「いや、久しぶりだなこのやり取りは。昔を思い出す」
懐かしむように目を細める。みんなで馬鹿騒ぎをしていた頃の話だ。
「とまぁ、そんなことは今はどうでも良いか。ともかく、君たちも今日は王宮に滞在してもらう。今後のことについて話がしたいからな」
「は、私達もですか?」
「当然だ。君たちも、彼の保護責任者ということなんだから」
それを聞いたファイが、再び崩天にくってかかる。
「謀りましたね!」
「何のことだ?」
素知らぬ顔をする崩天。
うー、とまるで犬が威嚇するようにうなるファイ。見ていて微妙に可愛らしさを覚える。
つまりはカレナの精神が拙い事になっていると言う事だ。
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