国を統べるには

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そういえば、先程からガルナの姿が見えないが、一体何処へ行ったのだろうか? ふと疑問に思うワルキであったが、別に今は彼の管理下に居続けているわけでもないので、放っておくことにした。 あの狼の性格からして、集団を好むとは思えないのだ。 後で何か、食べ物でも持っていってやれば、あいつは喜ぶだろうか。 そんなことを考えながら、ぼんやりと目の前の食器を眺めていた。 程なくして扉が再び開き、集団となって現れたのはファイとカレナたちであった。 というか、その後ろからぞろぞろと使い魔がついてきているのは、なんとも面白い光景だ。 ガルナもその中に居た。 何処に行っていたのかと思えば、あんなところに居たのか。 というか、部屋まではついてきていた気がするのだが。 一体何時の間に向こうに合流していたのだろうか。ただのグランドウルフのはずだ。 だというのにやたらとリオンが使うもんだから、妙な癖が出来なのかも知れない。 というか、リオンが何であそこまで重宝するのか、理由が良く分からない。 そんな疑問を抱きながら、ワルキはぼんやりと狼を眺める。 ファイ達も自分の席に座るときに椅子を引かれた。まぁ、当然か。 カレナは当然慣れている風だったが、ファイは全く慣れていないみたいだ。 本当に貴族なのか疑問だ。 ワルキと同じ平民なのではないか、とすら思いたくなる。 何と言うか……こう、あれなのだ。あれ。場慣れしていないというか何と言うか。 それなら、まだヘルの方が堂々としている。ま、神様だから当然か。 ……堂々としていない神様なんて見たこと無いし、想像も出来ないが。 ロウは相変わらず子供の姿のままで、とことこと進んでいてぴょんと椅子に飛び乗る。 その際椅子を引いていたメイドにお礼を言うのを忘れない。
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