国を統べるには

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ガルナはそんな少女の椅子のそばに伏せ、欠伸をして目を閉じた。 何と言う大物っぷり。 「よう、何の話してたんだ?」 ワルキはファイにそう話しかける。 「いや、まぁ世間話だよ。割と狭いなって」 苦笑しながらファイはそういった。 「どういうことだよ」 「いや、実はだな……」ファイは先ほど王の御前であった事を話す。 「いや、すごくね? それ」 愕然とするワルキ。流石に驚いた、とかそんな話じゃない。 というか、王様って結構フレンドリーな人だったのか、なんていうどうだって良い発想が頭によぎる。 「いや、まぁな。正直、どう反応したらいいのやら」 「というか、それって世間が狭いとか云々以前の問題だろ」 「まぁなぁ……もうあの人の弟子になってから、このくらいの事は普通に起こるもんだと思っていたけど……」 なれないものはなれない、とファイは溜息をはいた。 春先のリオン襲来から始まって、お姫様やら従妹やら叔母やら変人襲来やら父の再婚問題やら……本当に色々とあったもんだ。 「まー俺もそんなもんだけどな」 ワルキも同様に溜息を吐きながらそういう。確かに色々とあったもんだ。 「お前は俺に比べて巻き込まれる頻度が少なくて羨ましいよ」 「よく言うぜ。ここ最近はやたらと巻き込まれる頻度が増しているような気がするんだが?」 「それでも俺よりましだっての。こないだは死にかけたんだぞ?」 女子高の戦いは本当に熾烈だった。 というか、ギャグみたいなノリだったのに、何であんな風になったのかは理解が出来ない。 「あーあれか。でも結果的には良かったんじゃね? カレナに付きっ切りで看病してもらえたんだから」 「あーあれ? 別の意味で地獄だったっての」 最早否定すらしない。 何故か殆ど付き合っているに等しい状態になっている二人である。 非情に腹立たしく、また妬ましい事この上ない。
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