国を統べるには

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「何が地獄だっての。逆じゃねぇか天国だろ」 少なくとも女の子に看病をしてもらえられるだけ、羨ましい。 「五月蝿い。恥ずかしいったらありゃしないんだよ」 贅沢な悩みだ、と言い捨ててテーブルに肘をつく。 はしたないが学生が会話する上では仕方の無い行為だろう。 そんな話をしていると、扉が開いて四人の男女が入ってきた。 一人は王、もう一人は崩天のルシフェル、女性は王女様と王妃様だ。 「待たせたね。それでは食事にしよう」 彼がそういうと同時に食事が運ばれてくる。 当然ながら料理はどう表現すればいいのかわからないほどに豪勢だ。 何と言うか、その、コース料理という表現がよく似合う。 ナイフとフォークを使って悠々と食べていく面々。ロウでさえ、きちんとテーブルマナーが出来ている。 この場でテーブルマナーが一つも出来ないのはワルキだけだろう。 どうやって食べたらいいのか分からないまま戸惑うワルキを見て、ファイは笑った。 「お前、まさかテーブルマナーとか気にしてるのか?」 絶対に馬鹿にしている。 「ぐっ……平民を馬鹿にするな!」 「まったく。テーブルマナーは今時平民でも知っているぞ。というか気にするな」 ファイはそういうと、肉を一口食べる。 まぁ、実際そこまで肩肘を張る必要性も無い。ここはそんな場所でもないし、普通の家庭で出される料理と同じに食べれば良いのだ。 まぁ、これがレストランやパーティーでの食事となれば別の話になるだろうが。 「そうだぞ、ワルキ君。別に気にする必要は無い」
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