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呆れるに似た感情がワルキを支配したのは言うまでも無いことである。
成程、ファイはいつもこんな感情を味わっているのか。
ワルキはそんなことを考えながら溜息を吐くしかなかった。
そして、明後日、という時間の設定だが、一日を休息と準備に費やすために必要な時間だったためだ。
早いほうが良いだろうと崩天が言った為、こんな時間になったのだ。
当然、送り返すのはファイたち一行。
崩天がついて来てくれるのかと思いきや、どうやら彼はついてこないらしい。
その時の彼の言い分はこうだ。
「別に俺には関係が無い。こいつの国がどうなろうと」
これにファイが激怒したのは言うまでも無い。
まぁ、彼らしいといえば彼らしいのだろう。リオンの話を思い出してみれば、彼は死神だったというではないか。
何百年か前の世に現れて、殺戮の限りを尽くしたといわれている死神と同一人物だといわれたら、この言葉は納得せざるを得ないだろう。
とはいっても流石に子供達だけでは問題があるので、それなりの人物もついてくる事になる。
あくまで任務は護衛と書簡を届けること。
戦争をする訳ではないのだから、大所帯で行くわけにも行かない。
そこで選ばれたのは、ほんの一握りの精鋭。
国を代表しての訪問であるため、それなりの人物をよこさなければ失礼に当たるだろう。
だからといって、一軍を指揮するような人物を同行させるわけにも行くまい。
佐官以上は流石に、厳しいだろう。
だからといって一兵卒を渡すわけにも行かない。
難しい問題だが、王は既に答えを出していた。
大尉と少尉、この二人を同行させることにしたのだ。
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