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軍部との会議により決定したのだ。
軍部にも一部は貴族絶対主義というものも存在しているが、それらを納得させる逸材だった。
大尉の名は、ヘーベル・スミス・ブラックマン。貴族であるが、彼は軍部において貴族ばかりが優遇されるのを嫌っている男だ。
そうしてもう一人は、フランシス・テンペニー准尉。平民ではあるが、頭も切れて腕も立つ男だが、貴族ではないため、准尉どまりである。
大尉を推薦したところ、彼がフランシスを同行に求めたことから、この人選は決定された。
そして大尉と准尉、二人が相談して他にも兵を数人、同行させることにした。
いずれも腕の立つ兵士である事は二人の尉官を見れば分かることだ。
そうしてワルキ達子供を含めて二十人に満たない隊はあっという間に完成された。
訪問隊はその日のうちに顔をあわせ、綿密という程でもないが、簡単な打ち合わせを終えていた。
フランシスという男は見た目は随分な優男だった。
ワルキの視線から見れば、どう考えても軍人ではない顔立ちだった。
小奇麗な顔、服装、髪型、どれをとってもそこら辺にいる男にしか見えなかった。
それに対して、ヘーベルは随分と厳つい感じのする男だ。
歴戦の戦士を思わせるような、そんな風格さえもあった。尉官でありながらも自身が前線に出ることもある、と聞いた以上、根っからの軍人であり戦士であると思わざるを得なかった。
初めて見たときはフランシスが貴族で、ヘーベルが平民であると思った程、二人の体つきは違って見えた。
どうやら子供を同行させる事に、大尉以下全員があまり賛成しかねている様子ではあったが、王からの直接の命令である為、拝命せざるを終えなかったらしい。
そのときの王の苦笑具合が目に浮かぶようだ。
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