突破

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作戦決行日の昼となった。 これより、ジェンを護送する任務を行う。 一様に緊張している顔つきだった。 当然、ワルキも表情は強張っており、体が微かに震えている。 まぁ、今回の任務において彼の役割が非常に大きいのだから仕方が無いだろう。 普段はカレナのメイドとして、常に冷静沈着を装っているピアナですらも、緊張を隠しきれていなかった。 ファイも口を硬く結んでおり、いつもよりも寡黙な雰囲気をかもし出している。 カレナも同様だ。 尤も、リオンに至ってはただ単に立っているだけ、といった風にも見えなくは無いが。 なんにしても彼はさして緊張している様には見えなかったが、どこと無く引き締まっている感じである。 服装が違うからかもしれないが。 五人は今、まったく違う服装をしている。 学校の制服を着用していないし、ピアナもメイド服を着ていない。 黒を基調とした、服装である。 これは、軍が潜入任務などで着用していたものらしい。 何でも、なかなか質が良いものらしいので、そのまま使っているそうだ。 少々、重量があるのが難点だが、気になるほどの重さでもない。ちなみに防弾性能もあるらしい。 なお、使い魔たちは作戦開始まで帰ってもらうことになった。 移動の際に邪魔になると判断された為だ。 整列している少年たちの前に、ブラックマン大尉がゆっくりとした足取りで現れる。 「それでは出発前に各班のメンバーを発表する」
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