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もう、彼のこの態度は一学期から変わらない。
「そんな事ばかりしていると、何時か正体がばれますよ?」
忠告とちょっとした脅しの意味合いを込めて、そう言ってみる。
「いいのいいの。ばれる訳無いんだし」
気楽に笑いながら言う。
気楽なのは構わないが、それを気にして毎日気を使ってばかり居る、こちらの身にもなってほしい少年である。
「確かに、天下の崩天のルシフェルが、こんな学校で学生やってるとは、普通誰も思いませんが……」
「だろう? それに、落ちこぼれの俺がそれだとは一切思う訳無いじゃないか」
自慢げに笑いながらそう言うリオン。
確かにたくさんの生徒は、簡単にだませている。
騙せては居るのだが……。
「最近、色々と感づいている人がいますけどね」
笑った表情のまま固まるリオン。
心当たりが一つだけあるのだ。
「しかも、俺の友人には俺と同じ『崩天のルシフェルの弟子』として通っているのに」
やれやれと、頭を左右に振りながらしみじみと言う。
このリオン、学園では先程説明したとおり、落ちこぼれで通っているのだが、その実、ギルド最強の男、崩天のルシフェルとして、大衆の心を掴んで離さない存在だったりする。
その実力は、既に強いなどという枠組みを超えている。
人間と形容する事すら、おかしいとするくらいだ。
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