突破

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班は合計で三つだった。 ピアナとワルキ、ジェンは同一の班であることは明白であったが、それに加えて准尉と兵の一人が加わることとなった。 まぁ、二人とも馬鹿でもないし、准尉の指示を良く聞いて行動するだろう。 まぁ、これは予想通りだといえるだろう。 子供三人に対して、大人二人。 そのうち、十分な戦闘能力を持った人物は三名。 問題があるとは思えない。 だが、ここから先が問題なのだ。 カレナと大尉が同じ班だったのだ。 つまり、リオンとファイは別の班になってしまったのだ。 しかも付き添いは一般兵。腕が立つとは言っても、普通は尉官が子供に対して指示をするものだろう。 班に対しての質問を求められた際に、ファイは手を上げて質問した。 「あの、どうして大尉は自分たちの班では無いのですか?」 パワーバランスとしてはカレナを一般兵と同行させたほうが正しいように思える。 あくまで書類上の数値ではあるが。 各班の行動力を平均化したほうが正しいに決まっている。 「何、俺はこのじゃじゃ馬の手綱を握っておかないといけないのでな。それに、これが最も良い組み合わせだと思うが?」 リオンのことを見て大尉はそう言った。 どうも彼は鼻が利くらしい。 リオンの内面の実力に気がついているようだ。 これがたたき上げの軍人、とばかりに唖然とするファイ。 初めての感覚だった。リオンの底を見透かすような相手に会うのは。 あの担任ですら、化かされていたのだから。
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