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最短ルートを通れればいいのだが、流石にそのルートを通るにはリスクが高すぎる。
良くもまぁここまでいやらしい監視カメラと人員の配置を考えついたものだ。
最短ルートを完全に潰しやがって。
後の迂回路は全て遠回り。しかもその全てが最短ルートの何倍もの時間がかかる。
おまけにそのどれもが五十歩百歩というおまけつき。
本当に五十歩と百歩程度の違いに過ぎないのだから、もう笑うしかない。
それに距離が長くなるということは自然と難易度も上がってくるわけだ。
気の緩みや僅かなミス、それだけでアウトだ。
見つかり次第警報が鳴り響き人間が集まってくる。
そうなれば最後だ。
正直、特殊な部隊とかそんなのを関係なしに、勝てる気がしない。あれほどまでに徹底的に負けてしまっていては、そういった意識を持つのも仕方の無いことだろう。
完全なる敗北。
真正面から対峙した訳でもないにも関わらず、ワルキにはそれが恐ろしい。
夢を見た所為か?
ともかく今の彼らには進む以外の選択肢は無かった。
ゆっくりと確実に。
リオンの地図を何度も確認しながら進んでいく。
割とこの地図は役に立つので、重宝する。というか、死角の位置やら何やらまで、絶対に設計者本人は愚か、長年いる人間にだって分からないような、細かいネタを上げる辺りがまたなんとも。
リオンらしいのか? いや、蟻の巣まで把握しているのは少々異常だと思うのだが。
ともかくリオンの班が通り抜けてから数時間。
准尉が率いる班も、ようやく出口が見えた。
ここで一同は安心したのだろう。
そして唯一にして絶対の仕掛けを見逃していた。
それはリオンの地図にも書かれていた事だった。
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