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だから運が良い奴と言ったのだろうか。
自分の治癒魔法で回復させることが出来る程度の傷であったから、運が良いと。
そもそも、足を銃弾で打ち抜かれた時点で運は悪いと思うのだが。
そういえば、治癒魔法は上位魔法に入る筈だ。
しかも貫通した傷跡を塞ぐとなるとかなりの魔力と技量が無ければならない。
となると本当に底が知れない。
只でさえ、関所の細部に到るまで調査するなんて一流諜報員も真っ青な荒業をやってのけていると言うのに。
それに加えて回復系魔法。
最早底知れないと言う言葉を通り越して、正体不明と言っても良いかも知れない。
先程の射撃の腕も考えてみればおかしい。
幾ら目標が大きいとは言え、先程の場所から目標まではかなりの距離があった筈だ。
ライフルを使ったのなら納得できるが、それを拳銃で行うと言うのは……。
純粋に威力が高いから命中精度が落ちるという訳ではない。
だがしかし、リオンが持っていた拳銃はリボルバーの五十口径。
正直、腕が何故痺れていないのか聞きたい気分だ。
准尉も以前に一度、五十口径を試射した事はあるが、五発も撃てば腕が痺れて使いものにならなくなってしまった。
正直、コレは自分向きでは無いと、その時はっきりと感じたが。
そもそも、人間相手に五十口径も必要ない。
本来は生命力の強い、野生生物向けの銃だ。
人間相手に戦争をするというのなら、三十八口径もあれば上等だ。
五十口径なんて使うだけ無駄だ。いざとなったら片手で撃たなければならない状況だって出てくるわけだ。
それに、リボルバーと比べた際に、自動拳銃の方が装弾数も多く、リロードも早い。
スピードローダーなる物もあるが、割とかさばるので携帯には向かず、弾の総量も少ない。
そんな拳銃を好んで使うような軍人は少ない。
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