狼の牙

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「まぁ良い。最初にあいつらを殺せ」 順番は逆になるが、どちらにしても一緒だ。 ギロチンに兵達が手をかける。 刃が重力に引かれて、堕ちる。 だが、それが首を落とすことは無かった。 その前に銃声が響き渡り、ギロチンが破壊される。 ゴン、ゴン、腹に響き渡るような銃声。 そいつは頭の上から響いてきた。 「ヒャッハー! 泣いて謝ってももう遅いぜぇ!」 そう言いながら降下してきたのはリオンだ。 次々と敵を撃ち抜き、殺していく。 馬鹿見たいにデカイ銃のサイトを覗きながら、連射する。 撃ち抜かれた敵は真っ二つにぶった抜かれていく。 「大丈夫ですか、王様」 上空からゆっくりと降下しているリオンを尻目に、ワルキ達が王様と王妃様を救出する。 鍵など、強引にぶち壊して王様達を自由のみにする。 「君達は……?」 「まぁ……ジェンの保護者って所でしょうかね」 頬をかきながら、曖昧に笑っうワルキ。 「お急ぎ下さい。私達の役目は貴方達をここから逃す事です」 周囲を警戒しながらピアナはそういう。 「しかし、ジャリアを一人残しては……」 「安心して下さい。あいつには心強い、守護者がいるんで」 ジェンの方を見ると、一人の女性と一匹の狼が姿を現していた。 先程の魔法反射は、ヘルによる闇属性魔法だったのだ。 闇属性は重力を操ることにある。 それがどうして、魔法反射という理論に繋がるのか。果たして疑問に思う人も多いと思う。 というか、魔法反射なんてワルキ達は絶対に知らない魔法だが。 重力レンズや重力カタパルトという言葉がある。ようはそれと同じなのだ。 ただ、それをするための難易度は極めて高い。 飛んでくる魔法の速度、角度、魔法反射を設置する位置など。
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