エチュードそしてプレリュード

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一切の速度を落とす事無く、バイクは此方へと向かってきているのだ。 このまま行けば、間違いなく校舎に激突するだろう。 それが分かっていて、どうしてブレーキをかけようとしないのだろうか。 もしかしたら、突っ込んで来る気なのだろうか。 いやいや、もしかしたらチキンレースでもやっているのかもしれない、なんて希望的な予測をしてみる。 ここまでファイはバイクの女性が自分とは関係のない所に入るものだと思い込んでいたのだが、魔力によってジャンプ台が完成させられたのを見て、冷や汗が流れるのを感じた。 風属性によって生み出されたジャンプ台の傾斜角を見る限り、自分達の教室の高さを目指しているものだと予想できる。 そして、バイクの進行方向は、自分の教室に一直線で向かっていている。 バイクに乗っている女性の口元が吊り上り、バイクは更に加速する。 バイクが跳び上がる寸前に、ファイは大声で叫ぶ。 「みんな伏せろぉぉぉぉぉおぉぉぉおおおおおおおおお!」 いいながら自分もすぐに床に伏せる。 とっさの叫び声に反射した連中はすぐさま床に張り付いたが、呆然とした連中はそのままだった。 そうしてガラスやら壁やらを打ち抜く轟音と共に、そのバイクはファイ達の教室へと突っ込んできたのであった。
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