エチュードそしてプレリュード

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まぁ、実際はいるっちゃいるんだが。 赤ちゃん言葉になったりする奴とか。 「ったく、とにかく! 用件をさっさと済ませて帰るように!」 「えー」 「返事は!?」 「サーイエスサー!」 軍人張りに敬礼するベル。背筋をきちんと伸ばしている姿は滑稽以外の何物でもないが、それを只唖然としてみるしか出来ないクラスの生徒諸君。 よくよく気がついてみれば、他のクラスの生徒達も集まってきている。 そしてそこへ更なる闖入者が現れる。 「どいてどいてー!」 人ごみの中から現れたのは背の低い小さな女の子。 息を切らしている姿は何とも愛らしいというかなんと言うか。 だが、身長がえらく低い彼女にはとある肩書きがある。 「と、図書館の先生……!」 そう、先生という肩書きだ。 こうみえても彼女、この学校で図書室の司書をしている。 そして年齢は二十代後半になっている。身体年齢はどう見積もっても小学生だが。 「私の生徒に危害を加える人は許しません!」 人差し指をベルに突きつけて宣言する小さな先生。 「可愛いなぁ、先生ごっこかい?」 頭を撫でながらベルはリオンに「お持ち帰りしていい?」と尋ねる。 お持ち帰りも何も、自分と同じ年代か少し年上なのだが。 「くぅっ、貴女までも私を子供扱いするなんて……!」 涙目になりながら彼女の腕を弾き飛ばす司書さん。 もう許さない、といわんばかりに巨大なハンマーを取り出す。 「や、止めろ! リータ・ルーミィ!」 担任が止めようとするも時既に遅し。 「青空の果てまでかっとべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええっっ!」 叫びながらハンマーを横薙ぎに振るう司書さん。見事に腹部に直撃し、ベルの体を吹き飛ばす。 先程修復したばかりの壁に再び亀裂が入る。 「リータ! やりすぎだぞ! 殺してしまっては情報が引き出せないではないか!」 さらっと恐ろしい発言をする担任。 「先生、私にとって非常に嬉しくないのですが、あの女はこの程度では死にません」 「いやあ、よっくわかってるじゃないかぁクルド!」 全く疲労した節を見せる事無くけらけらと笑うベル。
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