7442人が本棚に入れています
本棚に追加
まぁ、実際はいるっちゃいるんだが。
赤ちゃん言葉になったりする奴とか。
「ったく、とにかく! 用件をさっさと済ませて帰るように!」
「えー」
「返事は!?」
「サーイエスサー!」
軍人張りに敬礼するベル。背筋をきちんと伸ばしている姿は滑稽以外の何物でもないが、それを只唖然としてみるしか出来ないクラスの生徒諸君。
よくよく気がついてみれば、他のクラスの生徒達も集まってきている。
そしてそこへ更なる闖入者が現れる。
「どいてどいてー!」
人ごみの中から現れたのは背の低い小さな女の子。
息を切らしている姿は何とも愛らしいというかなんと言うか。
だが、身長がえらく低い彼女にはとある肩書きがある。
「と、図書館の先生……!」
そう、先生という肩書きだ。
こうみえても彼女、この学校で図書室の司書をしている。
そして年齢は二十代後半になっている。身体年齢はどう見積もっても小学生だが。
「私の生徒に危害を加える人は許しません!」
人差し指をベルに突きつけて宣言する小さな先生。
「可愛いなぁ、先生ごっこかい?」
頭を撫でながらベルはリオンに「お持ち帰りしていい?」と尋ねる。
お持ち帰りも何も、自分と同じ年代か少し年上なのだが。
「くぅっ、貴女までも私を子供扱いするなんて……!」
涙目になりながら彼女の腕を弾き飛ばす司書さん。
もう許さない、といわんばかりに巨大なハンマーを取り出す。
「や、止めろ! リータ・ルーミィ!」
担任が止めようとするも時既に遅し。
「青空の果てまでかっとべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええっっ!」
叫びながらハンマーを横薙ぎに振るう司書さん。見事に腹部に直撃し、ベルの体を吹き飛ばす。
先程修復したばかりの壁に再び亀裂が入る。
「リータ! やりすぎだぞ! 殺してしまっては情報が引き出せないではないか!」
さらっと恐ろしい発言をする担任。
「先生、私にとって非常に嬉しくないのですが、あの女はこの程度では死にません」
「いやあ、よっくわかってるじゃないかぁクルド!」
全く疲労した節を見せる事無くけらけらと笑うベル。
最初のコメントを投稿しよう!