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全くあきれ果てた頑丈さだ。
「さて、それじゃあ本題に入ろうかね」
やっぱりふざけていたのか。
というか、巫山戯て無ければあんなことはしないだろう。
やはりこの女、リオンに似ている。
「今度さ、この学校でトーナメントがあるだろ? それに勝つための秘密訓練のコーチとしてきたのさ」
それが目的だとすれば非常に迷惑極まりない。
「必要ないわ。貴女の教えなんていらないもの」
「そんな事言うなって、お前のお仲間さんにも教えてやるんだからさ」
「貴女の教えることはいつも抽象的過ぎるの。いえ、擬音が多すぎるといったほうが正しいわね。あんなもので理解できれば苦労しないわ」
鼻で笑うクルド。おそらく、人に教える際にドドーン、とか、ズバッ、とかいった言葉を多用するのだろう。
確かに、そんなもので理解できれば教えるのに苦労はしない。
「たーまーには私だって楽しい思いをしたいのよー」
「今すぐお引取り願うわ。それとも姉さんに知らせて引き取ってもらうほうが良いかしら?」
クルドはさりげなくウルドの存在を匂わせる言葉を吐く。
彼女には逆らえないのだ。
「残念だったねぇ、姉さんは承諾済みなのさ!」
してやったり、と笑うベルの影でリオンは舌打ちをする。
あいつ絶対根に持っているな。
「ともかく! まだ授業が終わってないから早急に教室から立ち去るように。わかったかこのドエム女!」
「な、誰がマゾだ誰が!」
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