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ここまで殆どの攻撃を避けていない奴の何処がマゾヒストでないといえるのだろうか。
「失敬な、私だっていたいのは嫌いさ!」
「痛くないなら殴られても良いんだねはいはい。ファイ、そこの窓開けといて」
彼に言われてファイはおとなしく窓を開ける。
「迷惑な」腹部へ一撃いれ、体をくの字にさせる。
「女は」そこへすかさずアッパー。ベルの体が今度はそりあがる。
「どっかいけ!」両手で掌底を加えると、ベルの体は宙に浮き、そのまま窓の外へ弾き飛ばされた。
叫び声をあげながら落下していく彼女を見ながら。
やっぱりリオンにそっくりだ、と思うファイであった。
地面に叩きつけられる鈍い音が響いたかと思うと、その次の瞬間には悪態が聞こえてくる。
すぐさま窓を閉めると、何事も無かったかの用に自分の席に座るクルドとリオン。
「おい、放っておいても大丈夫なのか?」
「問題ありません。彼女はこの程度の高さから落下した程度では骨はおろか、傷一つつきませんから」
そういうクルド。
完全にどうでもいいと思っている表情だ。同様にリオンだが、此方は既に昼寝の体勢になっている。
「ま、いいか」
担任もまた、そういったことにはこだわらない人間なのであった。
生徒諸君はそれでいいのかと思いながらも、担任と司書の指示に従って撤退していく。
この二人に歯向かったら、間違いなく殺される。
特にこの司書さんに殺されたら間違いなく原型をとどめないだろう。
あのちんまい体の何処にあれほどの力が存在するのだろうか……。動物の筋肉は筋繊維によって成り立っているのに。
もしかしたら、あの服の下は物凄いムキムキなのではないだろうか?
ぜひとも確かめてみたい衝動に駆られるが、ここはそんな身も蓋も無い行動は控えるべきだ。
間違いなく潰されてしまう。男子なら。
ならばこれは女子の仕事ではないか。
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