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「一体いつから気がついていたの」
特段、気がついた事に驚く事は無く、リオンに尋ねるカレナ。
遅かれ早かれ、リオンには見つかってしまうという事くらい、分かっていた事だ。
「どうせ最初からでしょう。一体何がしたいんですか」
溜息を吐きながらファイはリオンに尋ねる。
「別に、お前たちの反応が見たかっただけだよ。俺が女子を誘う所を見て、やたらと面白がっていたみたいだからな」
と、言う事は自身が恋などしていないという証明の為に、こんな事をしでかしたのか。
全く、相変わらず無意味な行動だ。
「で、今度は何をやったんです?」
ジト眼でリオンをみながらそう尋ねる。
「今度は、とは心外だな」
肩をすくめて苦笑する。
「その台詞は普段何も問題を起こしていない人だけが言える言葉です」
「俺が普段問題を起こしているとでも?」
「起こしているじゃないですか」
「特に起こした問題はないと思うのだが……」
「それ、本気で言っているんですか」
「当たり前だろ。問題なんて起こした事無いからな俺は」
胸を反りかえらせて、自慢げに鼻を高くして言う。
そんな彼の頬にファイの手が伸びる。
「どの口がいいますかぁぁ」
躊躇う事無くその頬を引っ張る。
「ひたい、ひたいはらひゃへて!」
涙目になって、リオンはファイに止めるように懇願するが、聞く耳など元より持ち合わせていない。
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