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そんなものはファイがするものではない。
それをするのは主人であるカレナの仕事。自分の侍従の心配をしないほど彼女は薄情ではない。
ということで今日はゆっくりと寝る事にしました。
今日は疲れたし、今は他の人に構っていられるほど、自分自身に余裕が無い。
―――――
数日間。
数日間、委員長はリオンたちの行動をそれとなく観察してきた。
あの五人でチームを組んだ事に意味がある筈。
無意味でさも偶然の様にあの五人でチームが組まれたが、あれでいて中々バランスは取れている。
中距離、近距離、魔術戦闘、長距離、それぞれを得意とする面々だ。
非常にバランスの取れたメンバーだ。
その誰もが、おそらくリオンという人物を中心として集まっている。
リオンという共通の秘密によって集まっている様にしか見えない。
秘密を共有することによって、共犯意識が芽生え、それによって擬似的な絆が生まれる。
それが彼らを結び付けている原因?
だとすれば、リオンという存在の大きさがうかがえる。文字通り、空気の様。
存在が空気とよく言うが、空気とは当たり前に存在するけれど、無くてはならないものをあらわしてる。
空気が無ければ、人は生きていけないのだから。
一つの存在の前に集まっているかのようにすら見える。
とはいってもそれは所詮、委員長が見ている幻想のようなものなので、特段気にする必要性は無いだろうが。
今気にすべき事は、ファイたちの授業態度だ。
いや、ファイは特に気にする事は無い。
以前から若干ではあるが、授業中に昼寝をすることはあった。
ワルキなんてしょっちゅうだ。
だが、どうしたことかカレナやピアナまでもが授業中に船を漕ぐようになってしまったのである。
カレナならまだ納得がいく。
どうせ遅くまで訓練を行っていて疲労がたまっているのだろう。
だが、ピアナはどうだ。普段から完璧であるかのように振舞っている彼女が眠気に抗えないなんて。
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