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吹けば飛ぶように貧弱で、だというのにしなやかな動きを見せる柳にたとえることが出来るだろう。
馬耳東風、彼に当てはまる単語はそれがぴったりなのだろう。
ひ弱で貧弱で、他者の言葉に耳を傾けず、己が道を行く。
不思議だ。本当に不思議。
リオンを見ていると、委員長は落ち着かない。
今すぐにでも化けの皮をはがしたくてしょうがない。
その姿を白日の下に晒したいと、どうしても思ってしまう。
そんな事別にどうでもいいじゃないか、と自分自身に言い聞かせる。
別にどうでもいい。
そうどうでもいい事なんだ。
放って置いて、別に自分に損がある訳じゃない。むしろ関わったほうが自分に損害が出てしまう。
気持ちが悪い。
自分自身も、リオンも。
だから迷いを断ち切るために、必ずあの男を倒さなければならない。
夏休みとは違う。今度はギルドランクSが味方にいる。
自分自身も鍛錬している。
「今度は、負けない……!」
ひそかに呟く少女が一人。
そんな変人の決意も混沌とした空気に混ぜ込んで大会は幕を開ける。
この戦いが終わる時、世界は変革するか。それとも、世界は終幕へと向かい始めるのか。
それとも、開幕するのだろうか。
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