7442人が本棚に入れています
本棚に追加
ギルドのお偉いさんとか、軍のお偉いさんとか。
今年の生徒達の程度を見る為が主な目的らしいが。
どうせサボりたいのが本音だろう。
いや、普段から仕事なんてやっていない連中のことだ。暇つぶしのかわりに見学に来るに違いない。
何せ平和になってから刺激が足りない老人風情が楽しむには絶好のイベントだ。
そうでなくともやたらと人間が集まるのに。
スポーツ大会じゃあるまいし。
僅か十五年でここまで平和になるとも思っていないのだろう。
長ったらしい口上も終わると、生徒達は一様に解散し、教室まで引き上げていく。
全員、特段気負った感じも見られない。
所詮予選は予選ということだ。
尤も、予選の大切さがわかっている生徒は少しばかり周囲を警戒しているようだが。
教室に戻って来た生徒達は、机を移動させて各班毎にまとまる。
その手には予選リーグの組み合わせと、ルールブックが。
先程配られたのだ。
「で? 予選では必ず一人一度は試合に登録しなければならないとありますが」
ファイはリオンを鋭く見ながら問い尋ねる。
それを苦笑しながら受け流し、口を滑らかに滑らせる。
相変わらず減らず口はよく滑るらしい。
「おいおい、こいつの意図を理解してくれよ。あくまでもこいつは救済策だぜ? 魔法戦術にも色々あってな、直接戦闘が苦手な支援特化型の人間がいるだろ。そういった連中が極力試合に出ないようにする為のルールだぞ?」
「つまり……リオン様は予選を戦わなくても良いと」
そーいうこっとよん、と気楽におちゃらけるリオン。ふざけるな。
ここ最近睡眠不足でいらいらしているのに。
最初のコメントを投稿しよう!