開幕

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頭を抱えているワルキを見ながら、けらけらと愉快そうに笑うリオン。 「そんな事、一々気にするような鍛え方はしてないから安心しなっての!」 「……確かにこのくらいの体調で何度もやったが……」 「心配性だなぁ、お前さんは。そこまで気にすることでもないでしょうに」 体の一部分が少々使えなくなった所で、関係が無いくらいは体を強くなっているはず。 というか、四肢の骨が砕けようが動くようになっているはずだが。 因みに冗談でもたとえ話でも無い。 「……なぁ、ワルキ」恐る恐るファイが声をかける。「お前は一体どんな訓練をしていたんだ?」 しるか! 帰ってきたのは罵声だった。 どうやらこってりと搾りかすになるまで絞られたらしい。 やれやれだ。 どうやら、本当に気に入られたらしい。 ご愁傷様だ。 「で? 一体なんなのよ。私達の枷って言うのは」 「あー、その事な」 すっかり忘れてたぜ、と頭をかくリオン。 「それぞれにある課題をこなしてもらうよん。まずはファイ、お前刀抜くな」 ある種の死刑宣告。刀が抜けない、無い状態での戦闘は訓練の範囲外だ。 我流で訓練はしたが、所詮毛が生えた程度。 そもそも、それを専門にしてきた訳ではないので、武器を所持した相手は難しい。 「で、カレナ、お前さんは魔法限定な」 近接禁止、ということになる。 カレナにとっては距離を一つ失う事になる以上、戦術が大幅に少なくなると言う事になる。 「んで、ピアナとワルキ。お前達の課題は共通して一つだけ」 そうして人差し指をピンと立てて言う。 「一撃。お前達二人は一撃で相手を倒せ」
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