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序曲
人間はそれぞれに矛盾を抱えているものだ。
その矛盾ゆえに人間は苦しむ。
だが大勢の人間はその矛盾から目を背けたまま歩を進めていく。
最強の矛と盾。それが抱える意味から眼を逸らしたまま歩き続けるのだろうか。
正義という名のエゴ。
夢という名の欲望。
護ると言う名目での破壊、殺戮。
平等を謳い差別を行う。
彼女が抱えたのは貴族としての自分。
そして主をその手にかけようとした過去。
幾人もの人間を殺めてしまった過去。
拭いきれないただの暗殺者としての自分。
そして主の従者として、盾としての今を。
彼女は抱えている。
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