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翌日、再び放課後に試合を控えていたファイチームは昨日と同じ場所に集合していた。
因みに昨日の試合で出番の無かったワルキとカレナが先鋒と中堅だ。尚、大将として構えているのがリオンである。
ワルキが負けたとしても、カレナが中堅に構えているし、その後にはやる気は無いがリオンがいる。
おそらく、一勝くらいはするだろう。道楽ついでに。
「それじゃ、行ってくるぜぃ!」
昨日とは打って変わって元気なワルキが満面の笑顔で控え室から出て行く。
どうやら昨日の不調はやは睡眠不足から来るものだったらしい。
どうやら一撃で相手を沈める気らしい。
一番過酷な訓練をしていたらしいが、その成果はいかほどに。
定位置につくと、相手はすでに指定されていた位置についていた。
先程までへらへらとしていたワルキであったが、その場所に立った途端に表情が変わる。
そして試合開始を告げる合図がけたたましく鳴り響くと同時に、ワルキは地面を蹴り飛ばす。
地面が大きく抉れてワルキの姿が消える。
次にその姿が現れたのは相手の敗北が決定した瞬間だった。
ただの一撃を胸部にあるブローチへと入れただけ。
だというのに、相手の体は軽々と吹き飛び背後にあった樹木に背中を打ちつけ退場する。
この間、一秒程度。
まさに一瞬の出来事と呼ぶに相応しい速さ。
唖然としたままモニタの向こうにいるワルキを見つめたままのファイ達。
「しょ、勝者、ワルキ・ユリス!」
一瞬送れて明らかに動揺した声が響き、ワルキはそのまま控え室へと戻っていった。
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