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ウガー、と地団太を踏みながらもがき苦しむリオン。
リオンをここまで苦しめるとは。
リオンを殺す為には刃などいらぬ、ということか。
「あきらめてくらはいな。別に出席する必要性も無いでしょう」
「……こいつは一種の圧力だ。普段は余り表舞台に登場したくないといっているからな。これくらいは出ろという事か。若しくはいい加減にしなさいという事か。いずれにせよ、性格悪すぎるだろ」
「で、心当たりは?」
「あいつか、それとも……」
あいつ、というのは当然愛息子のことである。そして次の名前をあげるときに眉間に皺を寄せる。
「ダクトだ。あの連中以外に強制力を持っていない」
「ダクト? どなたです?」
「いい加減お前もなー」
「興味ありませんでしたからね」
やれやれと首を振るリオン。リオンを拘束できる能力を持つ人間といったら、現行でファイ、クロノ、ユーレリウル、ダクトの四人である。
一人は孫、一人は息子、一人は国王、そして最後の一人は――
「ギルドマスターだ。あいつ以外にこんな事を考え付く人間はいない」
「ぎるどますたぁ? またとんでもない所に知り合いがいるモンですね」
「仕方ないだろ。旧い知り合いなのだから。あの馬鹿めが、気を利かせた心算かそれとも相変わらず馬鹿丸出しなのかどっちなんだ」
やれやれと溜息を吐くリオン。
これでまた悩みの種が一つ増えてしまった。
一体これから先、どうしろというのだ。これ以上ふざけるのをやめて、少しは後進を育てろと言いたいのだろうか。
どちらにしても今やっている事だ。
自分はこれからある種の神となるのだから。
とはいっても、途中で心変わりをしてしまうかもしれないけれど。
「所で、さっきから何でリオンがそんな心配をしているの?」
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