幕間

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翌日。結局何の進展もせずに予選突破おめでとう会になってしまった昨夜の集合は、委員長及び寮長の介入により終わりを告げた。 結構な馬鹿騒ぎを何時間も続ければ当然の結果と言えるだろう。 「……結局どうしろと」 溜息を吐きながら生徒達の列に並ぶリオン。 結局良い案などあるわけも無く、虚ろな目で来賓席を見回す。 開会式前と言う事で、誰一人としてその椅子に腰を据えている人間はいないが、それぞれの格という物にあわせて椅子の装飾が異なっている。 どうやらこの学園の馬鹿共は相変わらず誰かに媚を売りたがっている蛆虫にも劣る糞どもだ。 さしずめあの大きい彩り鮮やかな奴がリオンの座る席なのだろう。 趣味が悪い。 相も変わらず、長いものに巻かれろと言う姿勢が丸分かりである。それでは学生達が不憫で仕方が無い。 ただし、ここの生徒会長はそんな人間ではないのであるが。 メインスタジアムの収容人数は、おおよそ万人を越えているのではないか、と思われる。 その席がほぼ埋まるほどに多数の観客が訪れている。 当然、生徒たちの家族もいるのだが、中には物見遊山の連中も沢山いる。 結構これが白熱した試合になるため、中々面白いのだ。スポーツ観戦の一種だと思えばいい。 やっている内容も、所詮は形骸化したような殺し合いでは、そんな感情をもたれても仕方の無いことだ。
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