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暦の上では既に秋とはいっても、まだまだ残暑厳しい今日この頃。
通常の座学程度なら耐えられる。
なんとか直射日光が当たる位置からは離れていたのが幸いだ。
直射日光が当たっている窓側の席に座っている生徒は、本当にご愁傷様としか言いようがない。
幾ら窓ガラスに阻まれているとはいっても、日光の熱はじりじりと肌を焼き、体温を上げて行く。
汗だくになって、見るも無残な光景になり果てている。
教室にクーラーを備えればいいじゃないか、と言われたらそれまでなのだが……。
実を言うのなら、予算が無いのだ。
全ての教室にクーラーを設置するだけの予算が、まったく。
知っての通り、この学校の設備は一流だ。
ありとあらゆる訓練や、知識を得る為に必要な設備がそろっている。
だから、なのだ。
それらにかかる、維持費は非常に高額。
壊れたら修復しなければならないし、正確な運転をする為に日々の調整も必要だ。
未だ一年生は基礎的な訓練しかしていないが、二学期に入ると本格的な戦術を学ぶ事になる。
市街戦などの環境を作る為の設備があるのだ。
構造などはよく分からないが、質の高い訓練を行う為に必要な事だ。
そんなこんなで、予算が毎年火の車状態。これでも比較的節約とかをしている方なのだ。
尤も、水魔法が得意な教師が来た場合、魔法で室内の気温を下げる事が出来る。
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