行進曲

5/24
前へ
/617ページ
次へ
リオンに相応しいじゃないか。 どちらも彼を指し示す名前として、十二分だ。 神を従え、館を守る盾。 「イーグルとかは?」 それでも納得がいかない所もあるらしいワルキは他の名前を出す。 これが案外しっくり来る名前だから困る。 とはいっても結局はなんだかんだでケルブに落ち着くのである。 そして、ここでもう一つ重要な議題がある。 「リーダーを決めるぞ」 リオンが放ったその言葉こそが、決勝トーナメントをより面白くしている点だ。 決勝トーナメントでは各チームごとにリーダーを選定しなければならない。当然、一度決定してしまえば後からの変更は不可能だ。 そしてこのリーダー、必ず試合に出場しなくてはならない。 ある種の移動拠点として。 そもそも、決勝トーナメントでは個人戦ではない。 当然だが今までも個人戦ではなく、あくまで団体戦と言う体面であったが、その実は個人戦と言うべきものだったのは理解できるだろう。 しかしこれからの戦いは、そんなものじゃない。もっとちゃんとした団体戦だ。 試合毎にくじ引きで、戦う舞台、人物を決定する。 これがまたゲーム性を高めているのだ。 必ず一人、常にリーダーが軸となりメンバーが決定する。 それが五人の時もあれば、たった一人の時もある。 無論であるが、このリーダーが倒されてしまったらその時点で敗北が決定してしまう。 だからこそ、このリーダーの選出が重要な課題となってくる。 因みに、相手チームには誰がリーダーなのかは予め知らされるので、余計にこれが重要となる。 強いだけでは、意味がないのだ。
/617ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7442人が本棚に入れています
本棚に追加