行進曲

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「さぁ、衝撃的な一面を見せた今回の大会! いきなり崩天のルシフェルの弟子が現れたなんてびっくりだけれど、次の試合も見逃せない!」 実況の言葉が五月蝿いほどに響き渡る。 一回戦だけ、その言葉が試合中の生徒達に聞こえるとはいっても、流石にこれは如何なものか。 とはいっても彼も先程のリオンの言動には驚かされているらしい。 軽はずみな言葉は控えようと思っている。 後で何をされるかわかったっもんじゃない。 「なんと先程のリオンと同じクラスからの参戦。おまけに予選無敗、その圧倒的な実力に対戦相手は恐れ慄いたという! 見た目は少女、中身は小悪魔? クルドちゃんだ!」 後で殺す。 そう決めたクルドであった。 委員長は納得したし、他の三人もどうにでもなれといった風だったから、納得していたという事にしておこう。 深くまで詮索してくれないことに感謝しながら、彼女は一歩だけ前に出た。 互いのメンバーの紹介が終わった所で開始の音が響く。 先程と違って、今度の相手は勝利を急がないらしい。 上級生だからこそ、慎重に事を進めようとしているのだろう。 素晴らしく正しい事だ。 相手の出方を見てからでも遅くは無い。 だが、その前に彼女は全てを焼き尽すつもりだ。 歪な剣をその手に、彼女は炎を撒き散らす。それに気がついた委員長達はぎりぎりまで後退、被害を受けないようにする。 「始めに言っておくわ」 赤く染まる彼女は、上昇気流に服をはためかせ言う。 「貴方達は灰になる。何もかもを焼き尽されて」 赤熱する彼女の空間。何も無いはずのフィールドが彼女の舞台へとその姿を変える。
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