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第二回戦。
これから先の試合は全て条件戦である。
両チーム共に、同等の舞台、同様のハンデを被ってもらう。
条件戦という奴だ。くじ引きで公平に決められるそれは、舞台を森林、人数を三人と限定した。
メンバーは自由選考。誰にするかは自分達で決めろ、という事だ。
相手チームは中核となる頭脳タイプをリーダーとして、その周りを遠中近距離に対応したメンバーで固めている。
中々バランスの取れた編成だ。しかし、当たり前かもしれないが、一戦も予選でリーダーが戦っていないのが気になる。
純粋に弱いだけか、それとも何らかの理由があるのか。
まぁ、リオンみたいなのが何人もいるとは思えないが用心するに越したことは無いだろう。
恐らくはサポートタイプの魔法を多用するのではないか、と推測される。
だとすれば基本的な戦闘は非常に苦手、という事になる。
「それを考慮して、お前達なら誰を推す?」
「カレナとピアナですね。中距離近距離に対しての対応力、いざというときの応用力に長けていますし、何より使用する魔法のバリエーションが多い、というのが何よりですね。今回の戦場は見通しが悪いけれど比較的開けた場所もある戦場なので」
「なら俺はファイとワルキだな」
突破力に優れたメンバーを集めた結果、こうなったようだが。
「何故、近接メンバーに?」
「理由は分かるよ。あいつは強い。あのチームリーダーを「俺は知っている」」
成程。合点がいった。
やはり相手チームには何らかの隠し玉があるという事だ。
しかし、それにしたっておかしいだろう。
リオンが『知っている』人物がここに居るなんて。
余程強いのだろうチームリーダーのヘイトという男は。
「何。負けはしないさ。巫山戯るにしたってな」
掌で弄るジョーカーのカード。
それが彼の武器だ、というのだ。
何の意味があるのだろうか。
トランプそのものを武器にするつもりなのだろうか? 一度使った事はあるが、あんな感じで使うことになるとするなら、余り派手とは言いがたいものなのだが。
気にしないことにしようと。
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