円舞曲

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返答の代わりに、彼らはその体から魔力を放出する。 互いが互いに押しつぶされないように、魔力を延々と放出し続ける。 純粋な力と力のぶつかり合い。それほどに壮絶なものは無かった。 リオンとヘイトがそれを始めた頃、ファイとワルキは既に戦闘に入っていた。 「……あの人が本気を出した」 目の前の小柄な女子生徒は離れた所から伝わってくる魔力に気がついて呟いた。 余所見は禁物だよ! とファイは刀を振るうが、彼女の軽やかな動きを捉える事は出来なかった。 先程からこんな調子なのだ。 まるで一枚の羽毛でも相手にしているよう。 二対一だと言うのにも関わらず、その攻撃はかすりもしない。 むしろ、此方の疲労が蓄積していくばかりだ。 「君達に、勝ち目は無い」 クルドもびっくりな無表情で、平坦な声で彼女は言う。 「それはどうでしょう? あの人もきっと本気を出す」 「あのリオンって言うのが何かは知らないけど。本気を出したヘイトに勝てるわけ無い」 「そりゃ奇遇ですねセンパイ。俺もおんなじ事を考えていたんですよ」 にへらと白い歯を出して笑うファイ。 「……君の言うことが事実なら、君達如きに僕が足止めを食うわけにもいかない」 「足止めなんて遠慮なさらないで。がっつりぶっ倒れてって下さいな」 背部からバーニアの如く、炎を噴出させてファイは言う。それに続いて、ワルキも柔らかくない地面に足をめり込ませ、トンファを強く握る。
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