円舞曲

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何時にもましてはしゃぎすぎだ。実力が拮抗しないとは言っても、それなりに楽しめる相手だったらしい。 ヘイト・スタッカート。 黄昏の果て、か。 「ま、無事だったんだからそれでいいじゃん?」 「何を言っているんですか貴方は。馬鹿も休み休み言ってください。年中休業しているくせに」 やれやれとリオンは頭を抱える。 こんなことをして、よくもまぁばれていないもんだと思う。 「ねぇ、リオン。一つ聞きたいのだけれど」 最近はめっきりと影が薄くなってきたカレナが口を開いた。 「なんだい?」 「見ていたけれど、本当に彼は黄昏の果て、だったの?」 「不思議かい? 最年少ギルド特Sクラスがあんな頼りない子供だったのは」 リオンは意地の悪い笑いを浮かべてそう言う。 「噂にはなっていたけれど、ね。実際に目で見てみると信じられないわ」 「俺が目の前にいても?」 「……貴方は色々と規格外だわ」 呆れながらカレナは言う。 規格外と言うよりも規格が無いと言った方が正しく感じられる。 「大体、人間の想像なんてそんなもんだろ。崩天のルシフェルだって、案外ちょろい奴かもよ?」 「そんなことを軽々しく口にしないで下さい」 歩いていたリオンの側頭部に回し蹴りが直撃する。 痛烈な一撃を浴びた頭は、そのまま壁に激突。更なる追加ダメージを与える事になってしまった。 声にならない悲鳴をあげながら、うずくまってしまった。絶賛悶絶中、という看板でも立て掛けておいてやろうか。
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