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さて、学校の授業で辛いのはテストだけでは無い。
夏場冬場の体育と言うのもかなり身体に堪えるだろう。
室内でのスポーツなら何とか体を温める事が出来るだろう。
だが、室外での授業ほどつらいものは無い。しかも夏。動きたくなくなる事この上ない。
冬場はなんとか体を動かす事によって、暖かくなる為我慢が出来る。
夏はそれが出来ないのだ。
別に体育の授業で無くとも、工業系の学校なら実習など地獄も良い所だろう。
そして、ファイ達の学校も『実技』系列の学校である。
戦術、魔術の実技の授業がある。
魔術は未だいい。体を動かさないのだから。
だが、戦術の授業は体育以上に体を動かすのだ。
この授業のおかげで、体育の授業がなくなる程に。
戦術の授業ではそれぞれが最も好む、若しくは最も肌に合う武器を持って組み手を行う。
担当教師はこれを監視、そして助言を行う。
生徒達の主な武器は、剣や細剣であるが、中には少し風変りな装備をする者もいる。
まぁ別に特段それをしたからと言って、教える内容に大きな変化はないのだが。
まぁ、その特殊な武器を使う中にファイやカレナ、ワルキが入っているのだが。
弓や槍を選択する人物も実は少なくは無い。
弓は遠距離装備の基本となるものであるし、槍は剣に代わる武装である。
まぁ、女子の中には剛炎の姫君――ファイの母親に憧れて、刀を持っている人も何名かはいるようだが、やはり剣の方が使い勝手がいいらしい。
刀と言っても種類は様々だ。
大太刀なんて女子の腕力で振り回せるものでもないし、抜刀から接近戦に至るまで剣と刀では戦術が異なる。
刀は斬るに対して、剣は斬り潰す、と表現した方が正しいだろう。
剣でも斬る事は出来るのだが、切れ味で言うのなら刀に劣る。
それに使用方法にも若干癖があるし。
まぁ、持っている人は居ても所詮はお飾りのようなものだ。
女子はその腕力でも問題なく操れるように、細剣を選択する人が多い。
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