彼の哀歌

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第三回戦。今度も再び上級生との戦闘となった。 前回のヘイトたちは二年生チーム。今回は最上級生が相手となる。 当然のことながら実力は、圧倒的という程の差が発生してしまう。 もちろん、ファイたちといえどもそれは例外ではない。 今回は四人一組での戦闘であったが、ファイ達はすでに欠員を二名出している。 相手チームも手傷を負わせたとはいえ、まだ三人も残っている。 なお、ランダムステージは今回、瓦礫が踊る戦場となった市街地が舞台だ。 森林などよりも熱源が多く、遠隔による敵の策敵もうまくできないという状況だ。 そんな状況の中、猪突猛進のワルキが、まっさきに撃沈した。 リオンの知略では、いざというときの撤退要因と考えていたのだが、存外に早くリタイアしてくれた。 ピアナは彼がやられたのを見て、動揺している隙に。 相手の一人はワルキ達が倒したのだが、それでも戦況が不利であるという事実は覆しようがない事実。 「……やぁれやれっと。まさかあの二人のコンビがこうもあっさりと落とされるとはねぇ」 頬を掻きながらリオンはこともなげに言ってしまう。 「もとはと言えば、貴方が隊を分散させたのが原因でしょう」 「いやいや、四人で固まってるほうが面倒だっての。特にワルキなら、適当にごり押しでどうにかできると思ったんだけど……」 「あてが完全に外れてるじゃないですか。一応、一人倒してくれてますから、確かに思惑は間違っていないようでしたが」 「いやー、やっぱり分散って死亡フラグだよね!」 「どこの世界の物語ですか。四天王でも倒すんですか」 この戦況でも本当にあわてない人だ、とファイは改めて思う。 というかこれで何度めだろうか。 こんな圧倒的不利な状況に陥れられるのは。
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