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「わーお」口笛でも吹きそうな顔でリオンはいう。
心底うれしそうだ。
「幻影ですか」
「そうね。でも、これ一体一体が魔力による実体をもっているようなものだし」
「なんですそれ! 聞いてませんよ!」
「いや、俺しか出来ないなんて誰も言ってないし」
のんきな会話を繰り広げながら、周囲に増え続ける幻影の動きを観察する。
「実態のある幻影、って言いましたよね?」
「ああ」
「どの程度まで攻撃が可能なのですか?」
「術者の腕次第だ。確かめるほかない」
「……ってことは全部できるということなのですね」
「まー、一度に自律操作できる数は限られているし、数で大方の検討をつける事は出来るけどな」
それを聞いて周囲にある幻影の数を確認する。
人間の脳というのは、十以上の数を『沢山』としか認識できないらしいが。
少なくとも二十は確認できる。
「十分多い気もしますが」
「こんなもんだろ? 幻影なんてコツがあればすぐにばれるし」
「十倍の戦力差ですか」
「自立型機動兵器とでも考えればいいよ」
普通なら怖気づくところなのだが、生憎と多人数戦というのは慣れているので大した脅威でもない。
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