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まぁ、リオンの話なんてどうでも良い。
鋭い日差しが訓練場内にいる生徒達に降り注いでいる中、授業担当である担任はそんな日差しなど気にも止めない風に、声を張り上げる。
「今日も何時もの通り、それぞれ別れて訓練をして貰う。暑くてだれているだろうが、きちんとやるように。少しでもサボった奴は、きっちりその分だけ動いてもらう。分かっているだろうな、リオン」
熱操作を止めたらしいリオンに向かって担任は言う。
「何がですか?」
額に汗をにじませたまま、彼は担任に聞いた。
暑くて聞く気になれなかったのである。
全くこの人はどうかしている。
あの担任を相手に、こんな回答しか出来ないなんて。
「ほう、どうやら一学期の続きをしないといけないらしいな……」
額に青筋を浮かべながら担任はリオンにそう告げる。
「ひ……! そ、それだけは勘弁を! あんな事だけはもう勘弁です!」
途端に暑さも吹っ飛んだ風に青ざめて首を振るリオン。
怪談話も真っ青である。
夏にはこれほどいい話は無いだろう。
因みに一学期に、模擬戦と称した殺し合いが行われた事がある。
勿論、戦ったのはリオンと担任の二人である。
実力から言ってしまえば、リオンが負けることはあり得ないのだが、当然のことながら彼は力を制限している。
いや、制限なんて生易しいレベルのものじゃない。
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