二学期の授業風景

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それこそ天と地よりも大きな差が在るのだ。 担任も力を制限していたとは言っても、リオンほどでは無い。 そもそも、現状でのリオンの実力は学校最弱。 幾ら力を押さえていたとは言っても、その差は歴然としている。 しかも本気で殺しにかかって来ていたのだ。 その時は何とか一つの魔法と、ファイとカレナの助けがあったからなんとかなったものの、二人も大分痛手を負ったのは言うまでも無い。 二人がかりで火傷しか負わせる事が出来なかったのは、生徒達の間でも一種のトラウマとなっている。 因みにこの事は噂となって、一学年生の間を風のように駆け巡り、担任には逆らってはいけないという一種の恐怖を植えつける事となったのは言うまでも無い。 「よろしい、ならば真面目に授業を受けるのだな」 怯えきった表情のリオンを見て満足そうに笑う担任。 そんな彼女の姿を見て、生徒達は確信する。 この人は間違いなくサディストだ、と。 「さて、リオンもやる気になったところで、授業を始める。それぞれ、きちんと決まった線の内部で訓練を行うように。そうしないと危険だからな。以上、解散!」 担任の号令と共に、生徒達はあらかじめ決めておいたペアと一緒に散らばって行く。 ペア、とは言ってもその数はまちまちだ。 三人であったり、四人であったり。中には六人で一緒に組んでいる人もいた。 まだ一年生の授業では、集団戦の訓練は行わない。 その為、普段は一対一の戦闘しか行わないのだが、時折担任の気分次第で二対二を行う事もあるのだが。 この授業は当初、リオンとファイの二人だけでひっそりとしていた。 不可視と防音の結界を張って、静かに誰にも悟られることも無く行っていたのである。 使用される武器は、基本的にイミテーションであるが、それでも気を抜けば大怪我のもとである事には違いない。 更には未熟な一般生徒達が、周囲に気を配る事など出来る筈もない。 だからこそ、今まで怪しまれることも無く、ここまでやってこれたのだ。
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