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ちょっと待ってくださいよ! と、言う間もなくリオンの姿は向こうへと消えてしまった。
こういう時だけ行動が早いんだから、本当に。なんて一人内心、愚痴りながらつぶやいた。
風の一突きが、唖然としているファイに向かってくる。
「うおおお!?」
なんてそんな叫び声をあげながら、ファイは回避反応をする。咄嗟のことに回避は出来たものの、どうしても体勢を崩してしまう形となったファイに、更に追い打ちが入ってきた。
ゴロゴロと転がりながら、鎧を装備して、守備力を上げる。
攻撃そのものに、威力がないと判断したためだ。
風の刃が向かってきている方向に、炎の魔法を放つ。手の中で練りあわされたそれは、ドーナツ状になっており、ふちは鋭い刃となっている。チャクラムだ。
「ちょっといきなりすぎるだろ!」
「いきなりじゃないとあなたたちに勝てないわ」
「いや、いくらなんでも暴論すぎるだろ!」
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