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しかし、今回ばかりは人数が多い。
流石に五人ものメンバーを抱えて訓練をする事は出来ない。
と、言うよりもリオンが個人的にやりたくないだけだ。
「……で、なんでお前達はここに居るんだ?」
頭を抱えながら、ファイを除いた四人の男女に問いかける。
周囲の生徒達は、既に訓練を始めている。
武器が交わり合う音が、訓練場の内部に響き渡っている。
それは一種の交響曲の様にも聞き取れる。
「……私の任務は貴方の監視」
「私はファイとやりたかっただけよ!」
「俺は面白そうだから」
「私は、お嬢様のお傍に」
それぞれ、自分の理由を述べる。
「うん、とりあえず分かった。ワルキはとっとと消えろ」
「何で!」
「お前は動機が不純だ」
「それならカレナだって一緒だろ!」
「五月蝿い。カレナは未だまともな理由だ。お前は帰れ」
「何でだよ! みんな内心では面白そうだって思っているに違いないだろ!」
「……おいおい、そんな事を思っているのはお前だけだ」
冷やかにリオンはワルキの言葉を否定する。
そもそも、二人は仕事の関係から、一人は師弟関係、もう一人は弟子に恋する乙女。
この中で、最も動機が不純と言えばワルキしかいない。
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