間奏曲

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力が欲しい。 力があれば、何もかも手に入る。そう、なんでもだ。 自分が欲しいものすべてが欲しい。手に入れなければ気が済まない。みじめな思いはしたくない。 だからか、友人を妬ましく思ってきたのは。初めて会ったあの時からずっと。 自らに学もない、知恵もない、才もない。しかしながらそれは理解している。だからこそ、それ以上を求めてこなかった。 近くにいて、その影響の恩恵にあずかれば、あわよくばその力を掠め取る事が出来るなら。 そんなコソ泥じみた考えで今の今まで居続けた。周りがすべて敵であったとしても、もう止まることはない。 無力な自分が生き残るために、それを選択せざるを得なかった。 そうだ、最初から選択肢なんてなかったんだ。 選ぶ事が出来る恵まれた人間とは違って、自分は恵まれなかった。 何もかもを搾取され続けてきた。なら、これ以上、それをさせることなどない。 これ以上それを認める訳にはいかないのだから。 拳を握り、開く。 平穏に暮らす事なら出来る。それがどうかしたのか。成り上がるためにリスクが必要なら、甘んじてそれを受け入れよう。 友達ごっこだってそれの延長線上にしか過ぎないんだ。 そう、これはただの友達ごっこ、それ以上でもそれ以下でもないんだ。 自分に言い聞かせる。その拳が何を打ち砕こうとも。
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