二学期の授業風景

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確かにギルドランクSクラスでもない限り、リオンが相方に居れば負ける気が一切しない。 特に多対一の場合は。 本来、数の多い方が有利なのだから。 「メンバーは夏休みのまま?」 「ええ、そりゃ当然よ」 「ま、そりゃあ負ける以外の可能性が無いな。勝率は限りなくゼロだろうしな」 「勝てる可能性は含まれているのね」 「まだ、クルドの戦闘を見た事が無いからな。それにリオン様は、全属性を満遍なく使う事が出来るし、厄介な戦術を使う事もあるから、面倒臭いのはリオン様の方だろうね」 確かにその通りだ。何故かリオンは動揺をしない。 動揺をすれば、隙が生まれる。 だというのに、リオンにはその隙がいっさい生まれないのだ。 全くこれ以上やりづらい相手は無い。 完全な戦術を組み立てなければ勝てない相手だ。 まぁ、その戦術が見つかれば、あっという間に倒せる、と言う事でもあるが。 「確かにね。あいつに卑怯な手はあんまり通用しなかったし」 だからと言って、正攻法でも通用した訳ではないが。 「それに、師匠直伝の剣術が厄介だな」 「剣術? あのファンタなんたらってやつ?」 「そうそう。そんなの。あれが一番厄介だからなぁ」 幻影を斬った次の瞬間には、死角に回り込まれているなんて、洒落にならない。 いや、死角に回り込まれなくても、攻撃の次の瞬間だから隙が大きくていけない。 厄介なのは、それだけじゃないが。 行進曲、遁走曲、いろいろな種類がある。 まぁ、初歩的なものなら序曲、前奏曲などがあるが。
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