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彼もリオンの我儘に付き合わされて、毎日大変なのだ。
一学期だけで終わると思っていたリオンのサボり癖も、二学期となっても治る兆候すら見られない。
後どれほど苦労を重ねたら、この地獄から解放されるのだろうか?
ファイは日々、そんな事を考えては溜息を吐いている。
このままでは色恋沙汰どころか、勉学にすら身が入らないだろう。
お陰で一学期のテストでは考えられない点数を取ってしまったのだ。
これをリオンの所為と言わずになんという。
そんな他人にばかり迷惑をかける人は、少しくらい痛い目を見た方がいいのだ。
「じゅ、十分に普通の高校生らしいじゃないか」
「普通の高校生は、落ちこぼれを演じたりはしません」
「いや、だって、昔読んだ本には……」
「どんな漫画ですか。どんな。非日常と日常をごちゃまぜにして考えるなんて、只の馬鹿の考えですよ」
「いや、俺の存在そのものが非日常のようなものだろ」
「非日常だか何だか知りませんが、二次元と三次元の違い位は理解してください。ドラマでもアニメでも同じです!」
「……俺、そんな風に思われていたの?」
目頭が自然と熱くなってくる。
此処まで馬鹿にされていたとは、流石の彼も気付かなかったようだ。
……正直リオンの行動は、ほとんどが漫画などからの影響を大きく受けている。
どこでどのように動けば、格好良いかとか、そう言ったものばかり考えているのだから。
言ってしまえば、行動が子供っぽいのだ。
それを実現できるだけの環境と実力があるのがだから、尚の事始末におけない。
「リオン様の感性って、結構子供っぽいんですよ」
見たら吐き気を催すような、王道コテコテ素人ラブストーリーでも、面白そうだと感じたらそれを実践しようとする。
具体的には……不治の病に侵されてみたり、とか。
無駄に女をつれこんでみたりとか。
セックスすれば愛を表現出来た心算で居るなんて、何処の馬鹿なんだろうか。
そんな小説を読んで、ファイはそんな感情を持つが、委員長の感想は面白いらしい。
因みに、カレナとピアナの感想は「巫山戯るな」だそうだ。
何故か知らないが、ムカついたらしい。
ピアナ曰く「この程度で不幸を語らないで戴きたい」のだそうだ。
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