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彼女から言わせたらやはりそうなのだろうか。
何せ、彼女は貴族だったのだから。
かつての大戦のおりに、貴族としての地位を追われたのだ。
まぁ、不幸だと言ったら彼女のほうだろう。
カレナはというと「恋人とその……セ、セックス、してそれでどちらかが死んだら、泣けるなんて滑稽ね」と言って少しだけ顔を赤らめさせていった。
……意外なところで純情な少女である。
まぁ、彼女らしい意見と言ったらそうだ。
カレナとしては、どちらも助かる方法をひねり出すだろう。
その結果がどうであったとしても、だ。
弱いのは嫌なんだろう。護られるだけも。
そんな中でリオンは只一人だけ「こんなのが流行っているのか。なら今度、こう言う設定にしてみようか」と思う人だ。
この気紛れさには呆れ果ててものもいえない。
「子供っぽいって……」
本格的に落ち込む。
自業自得ではあるが、ここまで来ると流石に憐れみすら覚えてくる。
まぁ尤も、ワルキはひっそりと(弄られ役として)同情したようだが。
「……哀れね」
クルドが見下した一言。
「うるせぇ! そんな無表情で言われても嬉しかねぇよ!」
槍を構える事無く吠える。
無表情で言われたのが余程応えたのか、目尻には涙が浮かんでいる。
レストランの時もそうだが、本当に少し哀れだ。
ファイにとっては良い気味だろうが。
「それより、早く構えて」
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