二学期の授業風景

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絶え間ない攻撃の嵐の中、一瞬、ほんの一瞬だけある隙を見つけて、彼女は踏み込み、波打つ剣を横薙ぎに振るう。 かろうじて、反応する事が出来たリオンはバックステップで何とか回避する。 が、それでも完全に回避し切れた訳では無い。 そもそも、マーチそのものが防御など考えていない技である。 前方の敵をすべて薙ぎ払い、突き進む。 それがマーチ、行進曲の真髄。 だからこそ、相手に反撃のすきを与える訳にはいかない。 与えてはいけなかったのだ。 普通ならリオンの攻撃力に圧倒され、回避若しくは防御しか出来ない。 第三者の介入でもない限りは回避不可能な攻撃を、彼女はたった一人で抜いた。 「どんだけ能力がチートなんだよ。これに反撃する奴なんて初めてだ」 「それは光栄ね」 バックステップで回避したリオンに、追撃をかける。 その一撃を見切り、槍の長い柄で防御をする。 だが、そのまま鍔迫り合いなどする気も無い。 早々に剣を引き、次の一撃を与える。 次の一撃は突き。だがそれを回避して、リオンは槍を振るう。 槍のリーチの長さは剣の比では無い。 だが、リオンが振るうと同時にクルドは腰をかがめて回避した。 そして、大きく振った直後のリオンの首へ剣を突き付ける。 「これで、終わりね」 最後まで表情一つ変えることなく、クルドは崩天のルシフェルに勝ってしまった。 如何に力を抑えていたと言っても、あのレベルを圧倒するのは難しい。 「順当だな」決着のついた二人を見てファイは呟く。 流石にスクルドである事が判明している彼女に、一介の学生が勝つなんてありえない。 もし、勝ってしまったら、その時は……。 本気でお仕置きをしないといけないだろう。
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