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「本当だよ。弟子になったのはつい最近なんだけどな」
リオンはそう言って、ファイを見る。
その視線を読み取ったクルドはファイに目を向ける。
「……悪かったですね。俺が崩天のルシフェルの弟子で」
口を尖らせて、そう愚痴るファイ。
「そんな卑屈になるなよ。お前が弟子になったのは、この学校に入学してからだろうが」
苦笑してリオンはファイにそういう。
ファイとしては卑屈にもなりたくなるものだ。
ギルド最強の戦士に師事していると言うのに、実力はまったく伸びやしない。
何時か、追いつき追い越そうとすら考えていたカレナは未だ天上の存在。
全く、いつになれば彼女に追いつく事が出来るのだろうか。
尤も、カレナはカレナでいつファイに追いつかれるのか、気が気でないのだが。
「そりゃ、確かにそうですよ。そうですけど、まだ全然強くなれないじゃないですか」
溜息を吐きながら、リオンに向かって愚痴を吐くファイ。
「そりゃ当然だ。実力を上げるのに、近道なんて存在しないんだからな」
「師匠は殆どインチキをした様な気もしますけどね」
「おいおい、お……あの人だって、最初からあの力を持っていた訳じゃないんだぞ。相応の努力をした結果があれなんだからな」
「そうかもしれませんけど……あれは幾らなんでも」
「まぁ、言いたい気持ちはわからんでも無いが……確かにあれはおかしいからな」
本人がもっともらしく言わんで下さいと、口には出さず視線で訴える。
何せ、死なない、魔力は尽きない、剣術は最強、なんてありえないだろう。
それに、最強の魔法――魔法と呼べるかどうか非常に怪しいが――を使う事が出来るのだ。
全く冗談じゃない。
物質が無に還るなんて。
いや、形がなくなるだけだろうか。
どちらにしても、インチキに等しい。
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